少年チャンピオンの萌え系バッシングを憂う

 
いつも週刊少年チャンピオンの感想サイトを巡回して拝読させていただいていますが、
いくつかの感想サイトで週刊少年チャンピオンに掲載されている(または、されていた)萌え系漫画
作品を批判しているのを目にします。
 
 
「つまらない」「作品として破綻している」…確かに萌え系作品にはよくある批判なので、
これは認めざるを得ません。
チャンピオンは漫画雑誌なわけですから、ただ可愛い女の子のイラストさえ描いていればそれでいい
という訳にはいきませんよね。可愛いイラストを描くだけの仕事は漫画家じゃなくイラストレーターの
役目ですから。可愛く描く前に、まず物語をしっかり作り上げてドラマとして成立させるのが
漫画家の仕事なので、イラストレーターとしてではなく漫画家としてのプロ意識は持たなければ
いけないと思います。
やはり僕も、物語がしっかり築き上げられている作品は心に残っていますし。
 
しかし中には度を越した批判も目につきます。
まずは作品のジャンルが「萌え系」というだけで客観的な批評をせず、「チャンピオン適性に合わない」
と決めたり「萌え・エロ系は成功するのに、熱くて泥臭くて胡散臭い作品は成功していない」と嘆き、
「熱くて泥臭いのが好きだけど萌えには期待していない」という自分の個人的な趣向のみに沿った
萌え系バッシング。
チャンピオン適性とか、チャンピオンの正統が熱くて泥臭くて胡散臭い物であるというのは、
あくまでそのブログ作成者の趣味であって、その趣味が偏った物差しでチャンピオンを読んで萌え系を
叩くのは、萌え系への偏見と差別と言わざるを得ないと思うんです。
萌え系・エロ系だってチャンピオンの王道ジャンルです。
僕はエロ系では「オヤマ!菊之助」「乱丸XXX」「グルームパーティー」に夢中でしたし、
萌えブームが訪れる前は「おまかせ!ピース電器店」に萌えていましたし。
それに萌え系だから成功している、萌え系じゃないから成功していないと、ジャンルのみで物事を
捉えるのもどうかと…
 
次に、感想サイト作成者の個人的な私怨むき出しな萌え系バッシング。
漫画作品を客観的に批評するんじゃなくて、ただ「ある漫画家が嫌いだから」とか「嫌いな漫画家が
いい気になっているから」とか「読みきり作品の作者が、嫌いな漫画家のアシスタント出身だから」
という個人的な恨みや嫉妬に基づいた萌え系作品に対する揚げ足取り。
そしてその萌え系作品の連載が終わると「やった〜」と喜ぶ始末。
これって作品に対する批評じゃなくて、個人的な感情論ですよね。一歩間違えれば中傷にもなりかね
ない…
「自分が運営するホームページやブログだから、何を書いても自由だろ?」とお思いでしょうが、
ネット上に公開している以上はやはり様々な人が読む訳ですから、漫画家へプロ意識を求めるのと
同じように、感想を書くサイト作成者も感情に流されず節度を持って客観的に批評していただきたい
ものです。
 
最後に、今回なぜこのような記事を書いたのかというと、竹ちょが愛する萌え系作品たちが、
ブログ作成者の個人的な偏見や差別、サイト作成者の個人的な私怨のみで好き放題にバッシング
されているのを読んで、正直不快に思ったからです。
竹ちょみたいに萌え系が好きなチャンピオン読者だっているんですから。
それに、確かに熱くて泥臭くて胡散臭い、そして爆笑できて説教臭い作品ももっと必要だけれども、
学校や職場から戻った疲れた身体で、熱い漫画や説教臭い漫画ばかり読むだけじゃ疲れちゃいます。
だから疲れた身体を癒してくれる萌え系作品がやっぱり必要なんです。
 
「『萌え』を嫌うマンガ家やその卵は多いのですが、市場が『萌え』を選んだのですよ。」という
松山せいじ先生のチャンピオン巻末コメント欄でのかつての発言は「萌え系が他のジャンルよりも
優れていると決め付けているみたいで、そりゃ短絡的すぎるでしょう」と竹ちょも正直疑問に
思います。
しかし萌え系というだけで叩く感想サイトの作成者さんたちの偏見に基づいた姿勢も短絡的で
疑問に思う訳で。要は「萌え系が優れている」とか「萌え系が駄目だ」とかじゃなく「作品が面白いか
どうか」なんだから、萌え系作品も偏見の対照として批評するんじゃなく、作品として客観的に批評
していただきたいと思います。
以上、読者ページCTC「萌-1グランプリ」投稿戦士が抱いていた気持ちを書いてみました。
ここまでお付き合いしていただいた方々、読んで頂きありがとうございました。